
魚を捕らえるトビアスのいる風景
作品情報
ストーリー
この小さな銅板画が初めて記録に現れるのは、風景画を愛し画家クロード・ロランを庇護したローマの貴族ロレンツォ・オノフリオ・コロンナの1679年の財産目録である。そこではドメニキーノのもう一枚の風景画『モーセと燃える柴』と対になっていた。その対作品はいまニューヨークのメトロポリタン美術館にある。二点は同じくらいの大きさの銅板に描かれ、トビアスの上衣はモーセの外套と同じ赤である。ルネサンスの人々は、どちらの物語もキリストの処女降誕の予型として読んだ。ここでは若いトビアスが川岸にひざまずいて大きな魚を引き上げ、身分を隠して旅に同行する大天使ラファエルが魚を指さし、どうすべきかを教えている。この魚の胆のうが父の盲目を癒やすことになる。作品は1831年、ウィリアム・ホルウェル・カー師の遺贈によってナショナル・ギャラリーに入った。




