
Filippino Lippi · PD
キリスト
作品情報
ストーリー
四十年ほど前から、この小さな絵はフィリッピーノ・リッピの作とされてきた。髪と髭の描き分けの精密さ、明暗の移りの細かさは、確かにその線でつじつまが合う。一方で近年は、彼の弟子ラファエッリーノ・デル・ガルボの手を見る意見も出ている。信心深く、感傷のまさる表情の扱いが、師よりも弟子に近いという見方である。美術館の記録は両方の説を並べたまま、決着をつけていない。
描かれたのは1500年前後、フィレンツェで修道士サヴォナローラが火刑に処されてから数年のうちにあたる。祈りのための小さなキリスト像が数多く作られた時期だった。画面は縦22センチ、横17センチほどしかなく、もとは板に描かれていたものが、のちにカンヴァスへ移し替えられている。
この絵がブザンソンにあるのは、同地の出身の画家ジャン・ジグーが自分の集めた作品を故郷の町に遺したためで、1894年に美術館へ入った。




