
Sailko · CC-BY-3.0
読書する男
作品情報
ストーリー
本の上にうつむく青年は、ヴュイヤールのリセ・コンドルセ時代の友人、ケル=グザヴィエ・ルーセルです。描かれたのは1890年頃。緑の上着、ばら色の顔、赤い椅子の背、黄色い壁が、それぞれ暗い輪郭線に囲まれた平たい色面として置かれています。その背景には、1888年の秋にポール・セリュジエがブルターニュから持ち帰った小さな風景画がありました。ゴーギャンの指示のもと、混ぜない純粋な色で葉巻箱のふたに描いたもので、仲間たちはそれを《タリスマン》と呼び、やがて自分たちをヘブライ語で預言者を意味するナビ派と名乗るようになります。ヴュイヤールをこの仲間に引き入れたのが、ほかならぬルーセルでした。作品は高さ約34センチの厚紙に描かれた油彩です。画家のアトリエに残されたのち、1990年に相続税の物納として国に受け入れられ、オルセー美術館に入りました。




