
John Collier · PD
リリス
作品情報
ストーリー
ジョン・コリアがこの《リリス》を描いたのは1887年、ヴィクトリア朝末期の英国でした。ユダヤ伝承でアダムの最初の妻とされ、のちに悪魔的な存在と見なされた女リリスが、大きな蛇を体に巻きつけ、うっとりと目を閉じて立っています。長く波打つ髪と蛇のうねりが一つに絡み合い、官能と危うさが同居します。当時の英国美術では、男を破滅させる「宿命の女」が繰り返し描かれた主題で、この絵もその系譜に連なります。コリアは科学者一族に生まれた几帳面な画家で、蛇の鱗や肌の質感を丹念に描き込んでいます。現在はイングランド北西部サウスポートのアトキンソンに収められています。

