
Rembrandt · CC0
ルクレティア
作品情報
ストーリー
レンブラントがこの《ルクレティア》を描いたのは1664年、苦しい時期のことだ。財産を失い、前年には伴侶ヘンドリッキェを亡くしていた。彼は古代ローマの物語を選んだ。高貴な妻ルクレティアは王の息子に辱められると、身内を呼び集めて事の次第を語り、みずから命を絶つ。伝説では、その死が王政を倒して共和政を築く蜂起の火となった。レンブラントが描くのは、その直前の一瞬である。短剣はすでに右手に握られ、左手は同じ高さに開かれて、彼女の一部がなお一撃に抗っているかのようだ。真珠と金に身を包み、視線は刃へと落ちている。二年後、彼は同じ主題に戻り、今度はその直後の一瞬を描くことになる。




