
Paolo Veronese · PD
ルクレティア
作品情報
ストーリー
ローマの伝承によれば、貴婦人ルクレティアは、王の息子セクストゥス・タルクィニウスに凌辱されたのち、自ら命を絶った。その死が蜂起を呼び、ローマから王たちを追放して共和政を打ち立てるきっかけとなった。ヴェロネーゼがこの場面を描いたのは1580年ごろ、豊かなヴェネツィアでのことだ。彼は同時代の画家たちがこの主題でやったこと、つまり官能的な裸体を退けた。ここにいるのは、短剣を胸に突き立てる直前の、ただ一人の女性である。両手で刃を胸に当て、視線を上へ向けている。彼女を包む重い布地や真珠、金の装身具は、古代ローマというより、ヴェロネーゼが仕えたヴェネツィアの上流社会のものだ。




