
Giovanni Bellini · PD
聖母子
作品情報
ストーリー
1509年ごろ、ジョヴァンニ・ベリーニはすでに半世紀以上ヴェネツィアで絵を描き、78歳に近づいていた。ジョルジョーネを先頭とする若い世代が、風景をより柔らかく、大気を感じさせるやり方でとらえ始めており、この小さな祈りのための板絵は、老巨匠がそれを静かに取り入れる姿を見せている。祝福する幼子を抱く聖母の背後には緑の布が垂れ、その端の向こうでは大地がかすんだ青い山々と、野にたたずむ一人の人影へと開けていく。この垂れ幕は聖なる母子を親密な小さな空間に囲い込みつつ、背後の世界に息づく余地を残す。ヴェネツィアのモチェニーゴ家のために描かれ、一家は三世紀にわたってこれを守り伝えた。ベリーニが長い生涯の終わりまで個人の祈りのために描き続けた、半身の聖母像のひとつである。




