
Filippo Lippi · PD
玉座の聖母子
作品情報
ストーリー
1437年、フィリッポ・リッピはフィレンツェで絵を描く若いカルメル会の修道士だった。ちょうどこのころ、ネーデルラントの画家たちの新しい描き方がイタリアに伝わり始めていた。それがこの板絵にも表れている。聖母は天上の玉座ではなく、窓の外に風景が広がる一室に座り、画中の高価な品々は北方絵画ゆずりの細密さで描かれている。リッピはこの時期にフランドルへ旅したとも考えられている。幼子はポーズをとらず、ふっくらと身をよじり、抱きとめるのもやっとの、いかにも生きた赤ん坊だ。制作年は画面そのものに記されており、リッピの現存する最も早い年記入りの作品のひとつとなっている。注文主はジョヴァンニ・ヴィテレスキで、絵の名の由来となった町タルクイニアのために描かれた。




