
Sailko · CC-BY-SA-3.0
聖母子と幼児聖ヨハネ
作品情報
ストーリー
ルーヴル美術館の素描部門に、聖母子を描いた赤チョークの習作が一枚ある。かつてはラファエロの助手のひとりジョヴァンニ・ダ・ウーディネの作とされ、のちには模写とみなされた。1956年、イギリスの研究者フィリップ・パウンシーがその裏面に、これはジュリオ・ロマーノがこの小さな板絵のために描いた準備素描だと書き留めた。多くの専門家はこの見方に従っているが、ラファエロ本人の手を主張する研究者もいまだにいる。板絵は高さ30センチに満たない。ルーヴルは制作を1515年から1516年ごろとしており、ジュリオがまだローマのラファエロ工房の若い助手だった時期にあたる。右側、緑のカーテンの前には、毛皮をまとった幼い洗礼者ヨハネが立ち、細い葦の十字架が肩の後ろにのぞいている。この絵がパリに来たのは、1798年2月にフランス軍がローマに入り、共和国を宣言して教皇ピウス6世を町から連れ出したあとのことだ。同じ年、教皇の甥ルイージ・ブラスキ公のために建てられたブラスキ宮から作品が押収され、この板絵もそのなかにあった。ルーヴルに入ったのは1799年である。




