
Jan van Eyck, Madonna of Chancellor Rolin, 1500. Wikimedia Commons. · PD
ロランの聖母
作品情報
ストーリー
ブルゴーニュ公国の宰相ニコラ・ロランは、絶大な権力と富を握った男だった。ファン・エイクが描いたこの絵で、彼は聖母マリアと幼子キリストの真向かいにひざまずいている。祈る一人の信徒が、これほど聖母に近く、対等のように向き合う構図はめずらしい。ロランの毛皮の衣は精緻に描き込まれ、背後の窓の外には、川を挟んだ都市が細密に広がる。橋の上には米粒ほどの人々が行き交い、目を凝らすほど町が見えてくる。信仰の絵であると同時に、この世の権勢の記念碑でもあった。ファン・エイクは油絵具を薄く重ね、遠くの山並みまで澄んだ空気を宿らせている。




