
J. M. W. Turner, Mortlake Terrace: Early Summer Morning, 1826. Wikimedia Commons. · PD
モートレイク・テラス、初夏の朝
作品情報
ストーリー
1826年、ロンドンのサマセット・ハウスで開かれたロイヤル・アカデミー展に、ターナーはこの絵を出品しました。描かれているのは、テムズ川のほとり、キュー植物園にほど近いモートレイクにあった「ザ・ライムズ」という屋敷です。持ち主のウィリアム・モファットが、自分の地所の眺めを二枚、ターナーに注文しました。これはその一枚目で、川沿いのテラスに背の高い並木が続き、その先に屋敷が建ち、夏の早朝の光が全体を包んでいます。ただ、その色づかいを嫌う声もありました。新聞『ブリティッシュ・プレス』の批評家は、舟も建物も、水も船頭も、家も馬も、何もかもが黄色、ただ黄色ばかりだと書いています。翌年には対になる夏の夕暮れの絵が描かれ、こちらは屋敷の中から反対側を眺めています。二枚は別々にアメリカへ渡り、朝の絵はニューヨークのフリック・コレクションに、夕暮れの絵はワシントンのナショナル・ギャラリーに収まりました。1996年には、フリック・コレクションで約100年ぶりに二枚が並べて展示されています。




