
Jean-Baptiste Camille Corot · PD
木の幹に座る老人
作品情報
ストーリー
19世紀のローマでは、画家のモデルをつとめることがひとつの生業でした。周辺の山あいの村から出てきた男や女が、田舎の服装のままスペイン階段で待ち、近くに住む外国人画家に時間単位で雇われていったのです。1826年、初めてのイタリア滞在中のコローは、こうしたモデルを何人も室内で描いています。物語も衣装もつけない、ありのままの姿です。この老人はがらんとした部屋で木の長持に腰かけています。つばの広い黒っぽい帽子をかぶり、暗い色の上着の上に袖なしの白い胴着を重ね、長い杖の上で両手を組んでいます。窓は右上にあり、その光が形をつくっています。白い胴着と膝は明るく、奥の壁ぎわは沈んだ調子です。高さ32センチの小さな習作で、紙に油彩で描かれ、のちに板紙に貼られました。左下には1826という年が書き込まれています。




