
テラスにて
作品情報
ストーリー
夕日がアクロポリスの丘をオレンジ色に染めています。アテネ国立美術館の解説によれば、ここはアクロポリスのふもとの旧市街プラカにある新古典主義様式の邸宅のテラスで、美男の騎兵将校が二人のアテネの婦人に詩を朗読している場面です。
実際に描かれたのはパリでした。ヤコヴォス・リゾスは当時すでに20年以上パリで暮らしており、左下の床のタイルにはフランス風に「Rizo 97」と署名しています。ギリシャの美術評論家クリストフォロス・マリノスは、この眺めは記憶とアテネの写真帖をもとに組み立てた架空のもので、プラカにこのような邸宅はないと指摘しています。襟の記章から、この男は砲兵大佐だとも読み解きました。マリノスはさらに年代にも目を向けます。1897年の春、ギリシャはオスマン帝国との戦争にひと月ほどで敗れていました。
右の小さな象嵌細工のテーブルには、ロゼワインの入ったカラフェとグラスが三つ置かれています。
