
Paul Cézanne, Peaches and Pears, 1890. Wikimedia Commons. · PD
桃と梨
作品情報
ストーリー
1890年ごろ、セザンヌはふたたびプロヴァンスで制作し、同じアトリエの小道具を繰り返し描いていました。まだアカデミックな絵画が、安定した遠近法と滑らかな仕上げを重んじていた時代です。この作品では、皿に桃が盛られ、梨が白い水差しと砂糖壺のそばに置かれ、布は重いひだをつくっています。セザンヌは思いどおりの傾きを得るため、果物の下に一スー硬貨を差し込むことがあったと伝えられます。その話は、この画面が一つの視点に収まらないことともつながります。皿は前へ傾くように見え、テーブルはわずかに不安定で、全体は厳密な幾何学よりも色と均衡で成り立っています。1912年、この絵はモスクワの収集家イワン・モロゾフに、画商アンブロワーズ・ヴォラールから30000フランで買われました。1948年からプーシキン美術館に所蔵されています。




