
Paul Cézanne, Portrait of Ambroise Vollard, 1899. Wikimedia Commons. · PD
アンブロワーズ・ヴォラールの肖像
作品情報
ストーリー
1899年、セザンヌに初の個展を開いたばかりの若い画商アンブロワーズ・ヴォラールが肖像画のためにモデルを引き受け、その経験を生涯忘れなかった。画家は彼を、荷造り用の木箱の上に載せた椅子の上でバランスを取らせ、何時間もじっとさせ、その回数はおよそ115回に及んだ。あるときヴォラールがうとうとして体を滑らせると、セザンヌは、林檎のように座っていろ、林檎は動かないだろう、と叱りつけた。仕上げに至っても半分しか満足せず、両手の上に絵具を置かず画布のまま残した小さな二か所を指さし、いつか正しい色が見つかるかもしれないと言った。彼は二度とこの絵に戻らなかった。ヴォラールは死に際し、この未完の肖像をパリのこの美術館に遺した。




