
Anton Chladek · PD
犬を連れた老婦人の肖像
作品情報
ストーリー
チェコ生まれのアントン・フラデクは、1830年代なかばにワラキアへ移り住み、地元の名士やその家族の肖像を、ビーダーマイヤー様式のつつましい写実で描いた画家である。この老婦人の肖像を仕上げた1850年ごろ、彼の工房にはひとりの少年が弟子入りしていた。のちにルーマニア近代絵画の父と呼ばれるニコラエ・グリゴレスクである。少年は教会のイコンを描きながら絵の手ほどきを受けはじめた。飾り気のないまなざしと、ひざの上の小さな犬。フラデクが得意とした、身近な人をありのままに写す肖像の一例である。

