
Titian · PD
アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿の肖像
作品情報
ストーリー
アレッサンドロ・ファルネーゼが枢機卿となったのは14歳のとき。この位に引き上げたのは祖父の教皇パウルス3世で、身内を取り立てるのを常とする人だった。ティツィアーノが描いた1545年ごろ、彼は25歳、ローマでも有数の富裕で有力な芸術の庇護者になっていた。画家は緑の帷の前に、枢機卿の緋の衣をまとった姿で彼を据える。ただし物言いたげな細部がひとつ。手に一組の手袋を持つのだ。これは貴族の肖像にこそふさわしい持ち物で、聖職者のものではない。教会の君侯というより、たまたま緋衣をまとったファルネーゼ家の公子に見える。ティツィアーノがこれを手がけたのは、パウルス3世と孫たちを描いた大きな群像と同じ数か月のことだった。




