
Titian · PD
枢機卿クリストフォロ・マドルッツォの肖像
作品情報
ストーリー
ティツィアーノは1552年に署名と年記を入れた。彼自身の手で全身を描いた、ごくわずかな肖像のひとつである。描かれるのはクリストフォロ・マドルッツォ、トレントの司教侯だ。このアルプスの町で、カトリック教会は宗教改革者に応えるべく大公会議を開いていた。マドルッツォはトレントを会議の地に選ぶのを助け、長い会期を通じて発言を重ねた。ティツィアーノは彼を黒い絹で装わせ、赤い帳を払いのけて歩み出す一瞬を捉える。卓上には時計。権力者の肖像でおなじみの、時は誰にも、その権勢にも尽きるという戒めである。今この絵はトレントを遠く離れ、ブラジルのサンパウロ美術館に掛かっている。




