
トスカーナ大公コジモ3世・デ・メディチの肖像
作品情報
ストーリー
この肖像が描かれた1722年、コジモ3世はすでに50年あまりトスカーナ大公の座にあった。この国の歴史でもっとも長い治世である。1670年に即位し、翌年の秋、1723年に81歳で世を去ることになる。晩年のトスカーナは疲れた国だった。交易は衰え、税は重く、敬虔で厳格な宮廷が空気を決めていた。肖像は彼を公式の姿で、大公の礼装と標章とともに示している。人としての姿というより、統治者が後世に残す像である。跡を継ぐはずの息子にはすでに先立たれ、残るのは子のない年下の息子だけで、一族に世継ぎが尽きかけていることは宮廷の誰もが知っていた。コジモは最後まで称号を保ち、この公式の肖像に姿をとどめた翌年に没した。

