トスカーナ大公子フェルディナンド・デ・メディチの肖像

トスカーナ大公子フェルディナンド・デ・メディチの肖像


作品情報

制作年
1722
技法
油彩

ストーリー

これは、描かれた時点ですでに十年近く前に世を去っていた人物の肖像である。コジモ3世の長男でトスカーナの世継ぎだったフェルディナンド・デ・メディチは、一度も統治することなく1713年に没した。この公式の肖像は1722年ごろ、歴代の大公と大公子を並べる一族の画廊のために描かれた。存命中の彼はメディチ家きっての音楽愛好家だった。一流の作曲家や楽器製作者をフィレンツェに招き、その仕えた職人のなかにバルトロメオ・クリストフォリがいた。宮廷の鍵盤楽器を預かる人物である。1700年ごろ、フェルディナンドのもとでクリストフォリは、弦をはじくのではなく小さなハンマーで打つチェンバロを作り上げた。奏者は指の触れ方だけで、ようやく弱くも強くも弾けるようになった。この公子の宮廷のために生まれたその楽器を、今日わたしたちはピアノと呼ぶ。

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