
James Ensor · PD
画家の父の肖像
作品情報
ストーリー
1881年、ジェームズ・アンソールは21歳ほど。ブリュッセルの美術学校を出たばかりで、まだ暗く抑えた色調で描いていた。のちに彼の名を高める、あの嘲笑うような謝肉祭の仮面より、ずっと前のことである。ここに描かれているのは父ジェームズ・フレデリック・アンソール。ブリュッセルでイギリス人の両親のもとに生まれ、技師の教育を受けた博識な人物だった。一家はオステンドで土産物店を営み、仮面や貝殻、中国の珍品が並んでいた。それはやがて息子の画面を埋めつくす品々でもある。この頃、父はすでに酒に溺れ、静かに衰えつつあった。息子は飾ることなくその姿を写し、顔は重く厚い絵具で、翳った背景の前に築かれている。




