
エジプト逃避途上の休息
作品情報
ストーリー
この《エジプト逃避途上の休息》は長いあいだ、1700年前後のローマ画壇を率いたカルロ・マラッタの作と考えられていた。同じ展示室には、マラッタの描いた教皇クレメンス9世の肖像も掛かっている。現在、美術館はこれをフランチェスコ・マンチーニの作とし、目録では1732年頃の制作としている。美術館が彼の特徴として挙げるのは、軽やかでなめらかな筆さばきと、流れるような生き生きとした色彩である。
この絵の来歴は教皇の住まいをめぐっている。1772年、教皇クレメンス14世は、マンチーニによる神話画二点とともにこれを買い入れ、当時教皇が一年の多くを過ごしたクイリナーレの丘の宮殿に置いた。マンチーニがローマで世を去ってから14年後のことである。その後、絵はヴァチカンの教皇の居室に移り、1908年12月、ピウス10世のもとで整えられつつあった絵画館に加わった。