
Titian · PD
エジプト逃避途上の休息
作品情報
ストーリー
1510年ごろ、ティツィアーノはまだ二十歳そこそこで、ジョルジョーネや老ジョヴァンニ・ベリーニの影を負いながらヴェネツィアで描いていた。板に描かれたこの《エジプト逃避途上の休息》は、その若い時期の作である。マリアの姿勢に目をとめてほしい。半ば身をひねって風景のなかに寄りかかるその仕草に、当時ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂の天井に描いていた人物像の記憶がにじむ。天井が公開されたのは1512年だった。その後、この絵は波乱の運命をたどる。1809年にナポレオン軍がウィーンから持ち去り、やがてイングランドのロングリート邸に渡った。1995年にそこから盗まれ、七年後、ロンドンのバス停に置かれたビニール袋の中から見つかった。




