
Ogata Kōrin · CC0
波濤図屏風
作品情報
ストーリー
この二曲屏風に捺された印は「道崇」と読める。尾形光琳が1704年に用いはじめた号で、そこからこの作は、故郷の京都とその宮廷趣味を離れて江戸、いまの東京で過ごしたわずかな歳月のものと知れる。ここで光琳は、海にほとんど生きもののような威嚇をあたえた。波頭は爪のある長い泡の指へと巻きあがり、二本の筆を一手に握って輪郭をとることで、水は龍の爪のように見えてくる。着想はまったくの独創ではない。彼は一世紀前の画僧、雪村周継が描いた波の絵をふり返っていた。いま光琳の名は、装飾の一派をまるごと指す言葉になっている。琳派である。彼の名の後半から取られたその呼び名は、没後ずっとのちに生まれた。



