
Francisco Goya · PD
聖バルバラ
作品情報
ストーリー
これは若き日のゴヤ、1773年ごろの作である。まだ三十歳にもならず、故郷アラゴンで筆を執っていた時期で、マドリードの宮廷も、のちの「黒い絵」もはるか先の話だ。イタリア旅行から戻ったばかりで、その影響がはっきり見てとれる。聖バルバラは静かに、堂々と立ち、古代の彫像のように、手には殉教者の棕櫚を握っている。伝説では貴族の娘とされ、ゴヤは彼女に冠をかぶせ、厚く盛り上げた絵具で鮮やかな衣をまとわせた。その顔は想像の産物ではない。画家がイタリアの写生帖に描きとめた、ローマのユノー像がもとになっている。日付もその同じ帖に記されていて、1773年9月15日、妻ホセファ・バジェウとの結婚の日にあたる。




