
John William Waterhouse · PD
聖エウラリア
作品情報
ストーリー
画面の手前に、雪の上へ投げ出された若い娘の亡骸が横たわります。ウォーターハウスが1885年に発表した《聖エウラリア》です。エウラリアはローマ支配下のスペインに生きた少女で、キリスト教を捨てることを拒んで、まだ十代のうちに処刑されたと伝えられます。伝説では、辱められた彼女の亡骸を隠すように天から雪が降り積もり、その魂は白い鳩となって口から飛び立ったといいます。ウォーターハウスは殉教の残虐な瞬間ではなく、すべてが終わったあとの静けさを選びました。降りしきる雪、舞い降りる数羽の鳩、遠くに立ちすくむ見物人。地面に広がる娘の髪と白い肌だけが、冷たい光の中に浮かび上がっています。




