
Leonardo da Vinci, Saint Jerome in the Wilderness, 1480. Wikimedia Commons. · PD
荒野の聖ヒエロニムス
作品情報
ストーリー
レオナルド・ダ・ヴィンチが20代の終わりごろに描き始め、そのまま未完に終えた一枚だ。荒野で悔い改める聖ヒエロニムスが、片手に石を握り、自らの胸を打とうとひざまずく。足もとには、彼になついた獅子が口を開けて横たわる。絵は下描きの段階でとまっていて、茶色の陰影だけで人体が彫り込むように描かれている。首から肩にかけての筋肉は、解剖を重ねたレオナルドらしく、驚くほど正確だ。この絵にはふしぎな来歴がある。かつて板は切り分けられ、ばらばらに失われていた。伝説では、19世紀にフェシュ枢機卿が、聖人の頭の部分を靴屋で見つけ出したという。切り離された跡は、今も画面にかすかに残っている。




