
悪徳を踏みつける玉座の福音書記者聖ヨハネ
作品情報
ストーリー
フィレンツェの中心にあるオルサンミケーレは、穀物市場として始まり、のちに教会になりました。市の各組合はそこにそれぞれの守護聖人の像を置く場所を持ちました。絹織物組合アルテ・デッラ・セータが選んだのは福音書記者聖ヨハネで、この板絵は1375年から1380年ごろ、組合のために建物の内部に描かれました。
ヨハネは書物を手に玉座に座り、その足もとには三つの小さな人物、彼が打ち負かした悪徳が横たわっています。上にはケルビムとセラフィム、天使の最上位の位階に囲まれてキリストが現れ、手にした書物にはギリシア文字の最初と最後、アルファとオメガが記されています。プレデッラは聖ヨハネの物語の結末、昇天を描いています。
この板絵は1402年ごろに取り外され、アカデミア美術館に入ったのは1982年になってからでした。それでも組合は、自分たちの聖人を建物から去らせませんでした。1515年、外壁の壁龕に彫刻家バッチョ・ダ・モンテルーポによるブロンズの聖ヨハネ像を据えたのです。現在壁龕にあるのは複製で、原作は上階のオルサンミケーレ美術館に収められています。
