
ストーリー
フィレンツェのアカデミア美術館の外に人々が並ぶのは、ただ一つのもののためだ。ミケランジェロが二十代のときに彫った大理石の塊である。彼のダヴィデは何世紀ものあいだ市庁舎の外の露天に立っていたが、1873年、街はそれを保護するため屋内に移し、それを収めるためドーム付きの壁龕をここに造った。まさに戦おうとする、5メートルを超える緊張した若者だ。
彼のもとへ昇っていく道すがら、ミケランジェロの未完の彫刻《囚人》のいくつかを通り過ぎる。生の石から抜け出そうともがくかに見える人物像で、なお鑿の跡が残っている。それらを先に見ることが、完成したダヴィデの読み方を変える。
美術館は1780年代にフィレンツェの美術アカデミーの教育用コレクションとして始まり、その性格を今も保っている。彫刻のほかにも、金地のフィレンツェ絵画の部屋があり、古い楽器のコレクションもある。そのなかにはアントニオ・ストラディヴァリがメディチ家の宮廷のために作ったヴァイオリンとチェロがある。










