
Titian · PD
聖マルガリタと竜
作品情報
ストーリー
ティツィアーノがこの絵を描いたのは晩年、1560年代のことで、ちょうどカトリック教会が画家に許される表現を締めつけていた時期にあたる。トリエント公会議は少し前に、聖書に見あたらない聖人伝を描くことを戒めていた。マルガリタの物語はまさにその類のものだ。三世紀の娘が竜に丸ごと呑み込まれ、十字を切ると獣は裂けて、彼女を無傷のまま外へ出す。ティツィアーノはまさにその一瞬を描く。緑の衣に赤い布をまとったマルガリタが、裂けた亡骸を乗り越えて自由の身になろうとしている。古い伝説を、彼はそれでも手放さなかった。この姿勢の着想を、彼は同じ聖人を描いたラファエロの絵に負っていた。その絵は数十年前にすでにヴェネツィアへ届いていた。




