
聖ペトロ(聖シモン)
作品情報
ストーリー
1605年、ローマでは新しい大聖堂のために、旧サン・ピエトロ大聖堂の最後の部分が取り壊されていた。聖堂の聖職者ジャコモ・グリマルディは、消えてゆく礼拝堂を素描に残し、聖体の礼拝堂の図の傍らに、その装飾がどこへ渡ったかを書き留めた。そこには、ボルゲーゼ家のある枢機卿が参事会から譲り受けた使徒の絵のことも記されている。同じ年、カミッロ・ボルゲーゼが教皇パウルス5世となった。1610年には、額のない二枚のカンヴァスが聖ペテロと聖パウロとして目録に載り、教皇の弟フランチェスコの所有となっている。研究者バルバラ・アゴスティはこの二枚をグリマルディの記録と結びつけ、この聖人を、礼拝堂の最初の守護聖人の一人である聖シモンと見る。金地を背に雲の上に座って祈る姿は、縁のほつれた燃えるようなオレンジ色のマントに包まれている。作品はマルコ・ピーノに帰属され、現在は収蔵庫に保管されている。