
William-Adolphe Bouguereau · PD
眠り
作品情報
ストーリー
1864年のサロンに、ブーグローは《眠り》と《浴女》の二点を出した。ローマ賞を得てイタリアで学び、歴史画で身を立てるはずだった画家が、そこから離れていく時期にあたる。描かれているのはローマ近郊の農婦らしい女と二人の子どもだ。膝のあいだで裸の赤ん坊が眠っていて、母親は唇に指を当てている。上の子は持ち上げたシャツの裾にサクランボを包んで抱えており、起こすなと合図されているところである。この三人はそのまま聖家族にもなりうる、と同時代の批評家は書いた。歴史画や神話画のために取っておかれた大きさと仕上げを、こうした身近な場面に与えたやり方が、のちのブーグローの評判を作っていく。二点のうち《浴女》はいまヘントの美術館にあり、《眠り》は個人の手に渡った。




