
Francisco de Zurbarán · PD
静物
作品情報
ストーリー
スルバランは修道院の大きな連作で名を上げた画家だが、この静物に並ぶのは台所の品ばかりである。籠に葡萄と林檎、赤い素焼きの壺、金鍍金の銀杯、胡瓜が一本、そして唐辛子が二つ。唐辛子はアメリカ大陸の作物で、セビーリャの港からグアダルキビール川ぞいに国内へ入った。描かれたのは1644年ごろ。この頃のセビーリャはアメリカ貿易の縮小で勢いを失い、修道院からの注文も減って、工房は聖人像を箱詰めにしてリマやブエノスアイレスへ送り出していた。その傍らで個人の家のためにこうした小品も描かれている。器や果物に当たる正面からの平らな光も、背後の暗さも、彼が修道士たちに与えたものと変わらない。本人の手と確実に認められる静物は数えるほどで、この一枚はその一つにあたる。いまは個人蔵である。




