
愛に打ち負かされた力
作品情報
ストーリー
1793年1月13日、ローマで群衆が、成立して間もないフランス共和国の使節ニコラ・ユーグー・ド・バスヴィルの馬車を襲い、彼は翌日、その傷がもとで死んだ。フランス・アカデミーの本拠であるパラッツォ・マンチーニには火が放たれ、多くのフランス人芸術家がローマを去った。ローマで画家としての道を築いてきたベニーニュ・ガニュローもその一人で、彼はフィレンツェに移り、そこで晩年を過ごした。1793年から1794年ごろとされるこの小さな画布は、その亡命の時期に属している。主題は古くからある「愛が力を征する」というもので、ここでは力がライオンの姿をとっている。翼のあるクピドたちがその背によじ登り、まわりで戯れ、大きな獣はされるがままになっている。ライオンはガニュローのほかの作品にも登場し、そのひとつである獅子狩りの絵は、この絵が描かれたのと同じ町のウフィツィ美術館にある。