
受胎告知
作品情報
ストーリー
1692年、ナポリでいちばん引く手あまたの画家だったルカ・ジョルダーノは、スペイン王カルロス2世に仕えるためマドリードへ発ち、十年のあいだ戻らなかった。彼が去ったことで、ナポリの舞台は当時三十代半ばのフランチェスコ・ソリメーナのものになり、この『受胎告知』はそのおよそ一年後に描かれている。
小さな画布だが、多くのことが起きている。ガブリエルは百合を手に雲に乗って現れ、画面上部には光のほとばしりのなかに聖霊の鳩が姿を見せ、マリアは机から振り向いて片手を上げる。ソリメーナは日々の品々も描き残した。机の上の砂時計と、右手の床に置かれた布の入った籠である。国王ウィレム1世が1821年にブリュッセルでマウリッツハイス美術館のために買い入れ、今も同館の所蔵品として、ウィレム5世ギャラリーに掛かっている。




