
Jacopo Tintoretto · PD
受胎告知
作品情報
ストーリー
ティントレットがこの《受胎告知》を描いた1577年、ヴェネツィアはやっと惨禍から立ち直りかけていた。それまでの二年間、ペストが街を焼き払うように広がり、住民のおよそ三分の一、数万の命を奪ってから、ようやく退いていった。死者のなかには、半世紀にわたってヴェネツィア絵画に君臨し前年に世を去ったティツィアーノもいて、こうしてティントレットは街随一の巨匠となった。彼は天使がマリアを訪れるその場面を、自分の時代のヴェネツィアの邸宅の中、依頼主たちが実際に暮らしていたような一室に据えている。画面左下では一匹の猫が丸くなっており、ありふれた飼い猫が、この上なく不思議な瞬間に居合わせている。




