
J. M. W. Turner · PD
1844年10月8日、ゴスポートのロイヤル・クラレンス・ヤードに到着したルイ・フィリップ
作品情報
ストーリー
1844年10月、フランス国王ルイ・フィリップは、ヴィクトリア女王を訪ねてポーツマス港に入りました。イギリスの君主のもとを客として海を渡って訪れた、初めての在位中のフランス王だと伝えられています。ターナーはこのとき70歳近く、小舟の上からその到着を眺めたらしく、素早いスケッチをいくつも重ねたのち、二点の油彩に取りかかりました。どちらも未完のまま残されます。これはそのうちの一点です。式典の様子は、画面にはほとんど残っていません。王の船も、両岸の群衆も、水の上の煙と光も、たがいに溶け合い、かろうじて形をとどめるばかりです。一世紀以上ものあいだ、この絵はヴェネツィアの情景として記録されてきました。ターナー研究者イアン・ウォレルが、ゴスポート沖のあの秋の日と結びつけ直したのは、2003年になってのことでした。




