
Eugène Delacroix · PD
ダンテの小舟
作品情報
ストーリー
1822年のサロンに、24歳のドラクロワは初めて大作を出品した。題材はダンテの『神曲』、詩人ダンテと導き手ウェルギリウスが、地獄の湖を小舟で渡る場面だ。水の中からは、罰せられた者たちが舟べりに必死でしがみつく。前年にジェリコーが描いた《メデューズ号の筏》の生々しさが、若い画家の背中を押していた。むき出しの肉体、荒れる水、舟の上でこわばるダンテの姿。裸の体を伝う水滴は、赤や緑の絵の具を点で置いて表されている。近くで見れば色の粒でしかないものが、離れると濡れた光になる。この絵は国家に買い上げられ、のちにロマン主義を代表する画家となるドラクロワの、世に出た最初の大作となった。




