
© José Luiz Bernardes Ribeiro · CC-BY-SA-4.0
磔刑
作品情報
ストーリー
これは初期のティントレット、1550年頃のヴェネツィアで描かれた作品です。当時彼は三十代の初め、名を上げつつありました。15年後に壁一面を覆うことになるあの巨大な《磔刑》ではなく、同じ場面をより抑えた調子で語っています。三本の十字架の向こうで、画面は遠い丘の広がる風景へと開けていきます。その描き方は、ヴェネツィア人がネーデルラントの画家たちから受け取ったもので、彼らの奥行きのある精緻な遠景は、この街で称賛され、盛んに模写されました。道の上を、騎手たちがその彼方へと去っていきます。スペインの研究者アルフォンソ・ペレス・サンチェスは、この小さな騎手たちこそ、一世代のちにエル・グレコが自らの《磔刑》に置いた騎手の先例だと指摘しました。若きクレタ人エル・グレコはヴェネツィアに来てティントレットに学んだのです。この絵はいま、そのどこからも遠く離れた、メキシコシティのソウマヤ美術館に掛かっています。




