
サン=クルーの洪水
作品情報
ストーリー
1855年、パリで初めての万国博覧会が開かれ、ポール・ユエはこの幅3メートルのカンヴァスを出品しました。彼が生涯に描いたなかでもっとも大きな絵です。ふつうは歴史画にしか与えられない大きさで風景を描くこと自体が、ひとつの主張でした。舞台はパリの西隣にあるサン=クルーの庭園で、当時は皇帝ナポレオン3世の離宮でした。セーヌ川があふれ、並木道に沿って水が広がっています。
手前では荷を満載した舟が水の中で立ち往生し、三人の男が取りついています。一人は水をかき出し、一人は船尾に立ち、もう一人は水に入って舟を押しています。右手には御者の乗った馬車が水の中を進み、その後ろを牛が歩いています。流れには樽などの散らばった物が漂っています。
ロマン主義絵画の旗手ウジェーヌ・ドラクロワは、その春ユエに宛てて、あなたの『洪水』は傑作だと書き送りました。1857年に国がこの絵を存命画家の美術館であるリュクサンブール美術館のために買い上げ、1874年にルーヴルへ移りました。
