
Francisco Goya, The Inquisition Tribunal, 1812. Wikimedia Commons. · PD
異端審問
作品情報
ストーリー
半島戦争が終わり、1814年にフェルナンド7世が異端審問所を復活させたころ、ゴヤはこの小さな板絵を注文もなく自分のために描いた。薄暗い堂内で、とんがり帽子をかぶせられ三角の衣をまとった被告たちが、うなだれて席についている。判決を待つ者の絶望と、それを取り囲む聖職者や群衆の無関心とが、沈んだ色調の中に描き分けられる。宮廷画家でありながら、ゴヤは時代の不寛容をこうして静かに告発した。壇上から身を乗り出す説教者の身ぶりだけが、この重い沈黙を破っている。




