
Jean-Baptiste Camille Corot · PD
崖の上から見た海
作品情報
ストーリー
崖の上から見下ろすと、白っぽい砂浜が長い弧を描いて町のほうへ延びている。ル・アーヴルの屋根の上には煙が立ちのぼり、右手の海では帆船のあいだを、黒い船体が一筋の煙を引いて進んでいく。蒸気船である。この港からは1820年以来、セーヌ河口の対岸のオンフルールへ蒸気船が定期的に通い、帆船なら三、四時間かかる渡りをおよそ45分で結んでいた。コローがこの小さな習作を描いたのは1830年ごろとされるが、ルーヴル美術館自身は1825年から1850年のあいだとだけ記している。左下の赤い「Corot」の文字は、1875年に画家が亡くなったあと、アトリエの作品を売り立てた際に押された印である。つまりこの絵は、生涯コローの手もとにあった。1906年、画家で収集家のエティエンヌ・モロー=ネラトンが国に寄贈し、決して貸し出さないという条件をつけた。




