
Sailko · CC-BY-3.0
陰鬱な婦人
作品情報
ストーリー
ジェームズ・アンソールと聞けば、多くの人は後年の作品を思い浮かべる。にやりと笑う謝肉祭の仮面、骸骨、けばけばしい色。この暗く静かな画布は、そのすべてより前のものだ。1881年、アンソールはまだ21歳、ブリュッセルの美術学校を出たばかりで、オステンドの生家で描いていた。母はそこで、避暑客のために貝殻や珍品を売る店を開いていた。この時期のほかの絵と同じように、画面は茶と黒の狭い範囲にとどまり、当時の前衛的なベルギー絵画が好んだ暗い色調をたたえている。数年のうちに彼の色は明るくなり、仮面が現れ、その後の長い生涯を「オステンドの画家」として過ごすことになる。まだ抑えた茶色のなかにあるこの初期作は、いまブリュッセルで、世紀末の美術のあいだに掛かっている。




