
Jean-Auguste-Dominique Ingres · PD
泉
作品情報
ストーリー
アングルがこの立ち姿の裸婦に着手したのは1820年代、イタリア滞在中のことだった。だが完成させたのは76歳になった1856年で、実に30年以上を経て世に出ている。若い女性が肩に水瓶をかかげ、そこから水が細く流れ落ちる。泉そのものを人の姿にした寓意だ。均整のとれた輪郭と、継ぎ目のない滑らかな肌は、自然の観察よりも彼の思い描く理想の形に従っている。制作の最終段階では弟子たちも手を貸したと伝えられる。半世紀にわたり素描で古典の裸体像を追い続けた画家が、その探究をひとつの静かな像に結晶させた一枚だ。




