
Gustave Courbet · PD
石割り人夫
作品情報
ストーリー
この絵はもう、この世に残っていない。1945年、ドレスデンへの空襲で焼けてしまい、いま私たちが見られるのは撮影された写真や複製だけである。描いたのは1850年ごろのクールベ。道ばたで石を砕く二人の男を、美化も英雄視もせず、実物大に近い巨大な画面にそのまま据えた。ひとりは年老いて背を丸め、ひとりはまだ若く、破れた服から肌がのぞく。顔はどちらもよく見えず、名前も分からない。神話や歴史ではなく、名もない労働そのものを大画面の主役にしたことが、当時は挑発と受け取られた。若い男が担ぐ籠には、砕いた石のかけらがずっしりと詰まっている。




