
Giorgione · PD
嵐
作品情報
ストーリー
この絵が何を描いているのか、500年ものあいだ、誰も決着をつけられずにいます。右手前には、白い布を肩にかけただけの裸の女が、幼子に乳をふくませています。左には、杖のような棒を持った若い男が立ち、母子のほうをじっと見ています。二人が誰で、どんな物語なのか、聖書の「エジプトへの逃避」だ、いや古代の牧歌だと、解釈は今も分かれたままです。はっきりしているのは、二人の背後で街に嵐が迫り、稲妻が空を裂いていることです。ジョルジョーネは1500年代の初め、下絵も引かずに、直接カンヴァスへ筆を進めました。人物よりも、この不穏な天気そのものが主役になった、ごく早い時期の絵の一枚です。稲妻の白い光が、灰色の雲を一瞬だけ切り開いています。




