
Titian · PD
パドヴァの聖アントニオと聖ロクスの間の聖母子
作品情報
ストーリー
ヴェネツィアではペストがつねに身近にあり、数年ごとに舞い戻ってきた。それに対して町が祈ったのが聖ロクスである。言い伝えでは、彼はペスト患者を癒やし、自らも病の徴をその身に負った巡礼者だった。だからこそ彼は画面右手に、パドヴァの聖アントニオや聖母子とともに立っている。これはティツィアーノの初期作で、1508年ごろ、彼がまだ若く、ジョルジョーネのすぐそばで制作していた時期のものだ。背後の風景、静かな人物の配置、そして柔らかくぼかされた画面は、いずれもジョルジョーネから受け取ったものである。聖ロクスの脚をよく見ると、今もペストの傷跡が描かれている。ヴェネツィアの人々が彼を見分け、加護を求めたしるしである。




