
Tom Thomson · PD
西風
作品情報
ストーリー
トムソンはこの絵を1916年から1917年にかけての冬、トロントの小さな掘っ立て小屋のアトリエで仕上げた。前の夏、アルゴンキン公園で森林警備員として働きながら戸外で描いた小さな油彩スケッチをもとにしている。風にねじれ、水面から吹きつける突風に身を傾ける一本の松は、彼が最後に完成させた作品のひとつだった。1917年7月、彼はカヌー湖にひとりでカヌーを漕ぎ出し、そのまま溺れて亡くなった。39歳だった。手前の岩に差し込まれた赤い筋や、空の素早くゆるい筆づかいを見てほしい。戸外で描く画家の速記のようなものだ。もとになったスケッチは、同じ部屋にすぐ隣り合って掛かっている。