
James Ensor · CC0
テオ・アノン
作品情報
ストーリー
1880年代の初め、ブリュッセルの大学教授エルネスト・ルソーと、博物学に打ち込んでいた妻マリエットの家には、科学者や作家、画家たちが集まっていました。まだ二十代になったばかりのジェームズ・アンソールをこの家に連れて行ったのが、マリエットの弟で詩人のテオ・アノンです。アンソールより九つ年上のアノンは、1881年に詩集『リム・ド・ジョワ』を出していました。序文は作家ユイスマンス、挿絵のエッチングはフェリシアン・ロップスという顔ぶれです。この肖像画は、そうした恩人でもある友人を横顔で描いたものです。灰色の上着に鼻眼鏡をかけて椅子に座る姿を、仮面の絵で知られるようになる前の、暗く厚塗りの写実的な画風でとらえています。右下には「ENSOR 82」という書き込みがあります。1921年、アントワープの展覧会協会ラール・コンタンポランの会員たちが、アンソールの初期作品をまとめて買い取り、アントワープ王立美術館に寄贈しました。この作品もその一点です。




