
戸塚 元町別道(東海道五十三次)
作品情報
ストーリー
戸塚は江戸から数えて六番目の宿場で、たどり着くのはたいてい日暮れどきだった。夜明けに将軍の城下を発った旅人は、ここまでおよそ23マイルを歩き、京へ向かう大街道、東海道での最初の夜をここで過ごす者が多かった。広重が選んだのは町はずれの元町の追分、脇道が分かれていく場所である。茶屋の前で一人の男が馬から下り、供の者が支え、右手では女と荷を担ぐ人足が待っている。分かれ道には木の道標が立つ。幾千の人が行き交った街道の、ありふれた夕暮れ。その到着というささやかな人間の一瞬が捉えられている。
